学苑社

特別支援教育・福祉・心理の本

障害の重い子とともにことばを育む

障害の重い子とともにことばを育む 障害の重い子とともにことばを育む
通じ合う喜びの中でコミュニケーションが生まれる

谷俊治監修
小川原芳枝編著
「あ」の会著
四六判/並製 1800円+税
ISBN:978-4-7614-0724-7



先生や保護者が、発語困難な状態の子どものことばを生み出すために何をするべきか、「あ」の会の取り組みから模索していく。

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●著者紹介(初版時)
[監修者紹介]
谷俊治(たにしゅんじ)
1956年東京医科歯科大学医学部卒業、1961年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了、耳鼻咽喉科学を専攻、医学博士(東京医科歯科大学)、東京医科歯科大学助手、東京学芸大学教授、保健管理センター所長、埼玉県立嵐山郷医療部長を歴任。現在、東京学芸大学名誉教授、埼玉県立嵐山郷非常勤嘱託医師、頌栄会上田診療所非常勤医師、公立小中学校難聴・言語障害児学級医、日本言語障害児教育研究会会長。1998年文部大臣表彰、2006年日本心理臨床学会功労賞。
主な著書:『ことばの発達と指導』(編著)全国心身障害児福祉財団、『心身障害児の医学』(共著)福村出版、『愛して育てる』有斐閣、『目で見る障害児医学』(編著)学苑社、『ことばの発達の障害とその指導』(共著)学苑社、『言語障害児教育』(編著)日本文化科学社、『吃音の診断と指導』(分担執筆)学苑社、『聴覚障害の診断と指導』(編著)学苑社、『救いを求める子どもたち』学苑社、他多数。

[編著者紹介]
小川原芳枝(おがわらよしえ)
小学校、養護学校教師を歴任、現在「あ」の会子育て相談所・障害児のことば研究所代表。

末吉里子 都立大泉特別支援学校
本田ひろみ 都立八王子東特別支援学校
佐藤真理子 都立あきる野学園
柴崎洋子 西東京市立保谷第一小学校
吉田稲子 元都立青鳥養護学校久我山分校
熊谷敬子 府中市立住吉小学校
柴尾眞由美 保護者(母親)

「あ」の会
1986年『あたしのあ あなたア』(太郎次郎社)出版後、小川原、佐藤、熊谷の3人が中心になり設立。毎月1回研究会を続け、毎年セミナーを開催。会員は、養護学校・小学校教師、保育士、看護師、施設職員、保護者など。

「あ」の会ホームページ
http://homepage3.nifty.com/anokai/

イラスト
白勢玲子 元都立小平養護学校

●目次
はじめに

1 ことばを育てる
ことばが育つ土台
ことばあそびの心
ことばが育つ
環境を整えるためのおとなの役割

2 肌のふれあいは心の通い合い
—肌と肌のふれあいに抵抗していたタアちゃん
子どもたちと向き合う時に大切にしてきたこと
自分のからだに気付く
タアちゃんとのふれあい
自分の身の回りの面白いものに気付く(「みる・きく」の授業から)
谷先生のコメント

3 からだの拡がりは心の世界の拡がり
—からだが自由になることでコミュニケーションが活発になったヨウコさん
ヨウコさんの障害
中学部入学
3年間の取り組みとその歩み
ヨウコさんの成長(力を発揮してきた様子)
やりたい気持ちを大事にする
谷先生のコメント

4 心の世界の拡がりはことばの拡がり
—繰り返すパニック状態から解放されてことばが育っていったアヤちゃん
心が見たい
パニック
悲しい顔
ふれあうことからやりとりする
ことばあそびでイメージを拡げる
心がことばを、ことばが心を育てる
谷先生のコメント

5 「ことばあそび」で心もことばも拡がる
—繰り返す入院生活と訓練や知育中心の生活で自閉的になっていたコウくん
心を閉ざすコウくん
コウくんに必要なこと
ことばだけでも楽しめる
オノマトペで遊ぶ
ことばのイメージを拡げる
いろいろなおしゃべりで、生活を豊かにする
『おわりのコウくん』から『おしゃべりのコウくん』へ
谷先生のコメント

6 不安の解消はことばや心の世界を拡げる
—「ママ、しんぱい」が口ぐせになっていたマドカさん
マドカさんのプロフィール
「ママ、しんぱい」のことばから
マドカさんと一緒に
谷先生のコメント

7 親に甘えることの楽しさを知って大変身
—心やからだのふれあいを極端に避けていたマコトくん
思いを知りたい
ことば(表現)の特徴
心の状態を推し量ってみる
ことばを育てる試み
変わりはじめたマコトくん
感覚に働きかけ、思いに寄り添う
谷先生のコメント

8 混沌とした世界から抜け出し、ことばの世界に
—先生や友達の間を風のように走りぬけるヒカリさん
風のように走りぬけるヒカリさん
動作の模倣から発声模倣へ
要求語「やって」の出現
色に対する興味の拡がり
「ことばあそび」の効果
絵カードの活用
2年生になっての試み
「生け花」の授業
ことばを紡ぐ
ことばが育つ
こだわりといたずら
ことばの拡がり
文字への興味
いたずらの対応
ほめることと叱ること
ことばが育つための環境の整備
新しいことへの挑戦
谷先生のコメント

9 工夫された体験学習によるコミュニケーションの拡大
—雨ものがたり
「雨」の体験
「雨」を描く
雨つぶの冒険
魚と出会う
ことばを共有するということ
谷先生のコメント

10 発達障害に悩む娘とともに歩んできた17年間
—波瀬満子のパフォーマンスとの感動的な出会いが大きな救いに
初めてのことば
生活体験とことば
初めての二語文
小学校を選ぶ
「ことばあそび」との出会い(ことばが見える)
「私」ということば
自己決定
初めての危機
夢と希望をもち続けて
谷先生のコメント

あとがき
引用・参考文献

●帯より
子どもの発信するもの=ことば
重い障害のために話せないからといって、ことばがないわけではありません。子どもにとって、表情・発声・からだの動き・身ぶりなどはこころを表すことばです。そのことばの数々を見過ごすことなくしっかりと受けとめ、「ことば」として返すことがおとなの役割であり、そのやりとりが豊かなコミュニケーションから話しことばへとつながるのです。先生や保護者が試行錯誤を繰り返しながらも、無理矢理教え込むことなく、子どものことばの土台作りに励む様子を描き出す本書から、ことばを生み出すための大きなヒントを得ることができるでしょう。