学苑社

特別支援教育・福祉・心理の本

学齢期吃音の指導・支援 改訂第2版

学齢期吃音の指導・支援 学齢期吃音の指導・支援 改訂第2版
ICFに基づいたアセスメントプログラム

小林宏明著
B5判/並製 3600円+税
ISBN:978-4-7614-0764-3


現場の先生に大好評の書籍の改訂版。より活用しやすくなったアセスメントプログラム

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●著者紹介(初版時)
著者紹介
小林 宏明(こばやし ひろあき)
 1999年筑波大学大学院心身障害学研究科修了。博士(心身障害学)。1999年より筑波大学心身障害学系準研究員、2001年より同助手を経て、2002年より金沢大学教育学部助教授、現在に至る(組織再編などのため、現在の所属は、金沢大学人間社会研究域学校教育系准教授)。
 専門分野は言語障害教育。主な研究テーマとして、吃音がある幼児から成人の評価および指導・支援法開発に取り組んでいる。
 幼少から吃音があり、高校から大学院時代の前半にかけては、上手く発話ができないことに悩む時期を過ごすが、その後吃音は徐々に軽快化する。現在でも、発話の流暢性の問題が見られたりうまく話せないことに悩んだりはするものの、日常生活にあまり支障がない状態となっている。
 2000年から吃音者のセルフヘルプグループである茨城言友会に所属する。その後、金沢大学に赴任した2002年からは石川言友会に所属し、活動に参加している。
 主な著書・訳書:「特別支援教育における吃音・流暢性障害のある子どもの理解と支援」(小林宏明・川合紀宗編著,学苑社,2013年)、『吃音の基礎と臨床─ 統合的アプローチ』(バリー・ギター著,長澤泰子監訳,学苑社,2007年,分担翻訳)「標準言語聴覚士障害学・発生発語障害学」(熊倉勇美・小林範子・今井智子編,医学書院,2010年,分担執筆),「障害児心理入門」(井澤信三・小島道生編,ミネルヴァ書房,2010年,分担執筆)ほか。

ホームページ:吃音ポータルサイト
http://www.kitsuon-portal.jp/

●目次

まえがき
この本の使い方
アセスメントプログラムを用いた指導・支援の流れ

第1章 吃音とは
I 氷山としての吃音
II 吃音氷山の概要
 1 発話の流暢性の問題
 2 言語・認知・運動発達の問題
 3 気質と情動機能の問題
 4 吃音に関する情動・行動・認知の問題
 5 子どもを取り囲む環境の問題
III 学齢期の吃音のある子どもの特徴
 1 生活全体の中での学校生活の占める割合が高くなる
 2 発達・発育の途上にある
 3 吃音の進展状況や抱える問題が多様である

第2章 学齢期吃音のアセスメント
Ⅰ 学齢期の吃音のある子どものアセスメントを行なう際に必要な観点
 1 子どもや保護者の困り感やニーズを的確にアセスメントする
 2 実際の生活場面の様子をアセスメントする
 3 吃音氷山全体をアセスメントする
 4 指導・支援に結びつくアセスメントをする
Ⅱ  学齢期吃音のICF に基づく包括的アセスメントプログラム(アセスメントプログラム)の提案
 1 アセスメントプログラム作成の経緯
 2 アセスメントプログラムの概要
Ⅲ アセスメントプログラムを用いたアセスメントの方法
 1 アセスメントの流れ
 2 基本アセスメントの実施
 3 掘り下げアセスメントの実施
 4 アセスメント結果のまとめ

第3章 学齢期吃音の指導・支援
I 指導・支援を行なう際に必要な観点
 1 子どもや保護者の困り感やニーズを尊重した指導・支援をする
 2 アセスメントプログラムにある項目全体の改善・向上を意識する
 3 気質と情動機能の安定や自己肯定感などの向上を図る
II  指導・支援の目標を設定する際の観点
 1 短期的な視点に立った目標設定の観点
 2 長期的な視点に立った目標設定の観点
III 学齢期吃音の指導・支援方法の提案
 1 保護者や学級担任などへのガイダンスや連絡・調整
 2 情緒・情動の安定と問題の軽減
 3 吃音に関する情動・行動・認知への対処
 4 スピーチセラピー
 5 言語・認知・運動発達への指導・支援
 6  自己認識や全般的な性格への対処
 7 実際の生活における活動・参加を意識した発話・コミュニケーション指導
IV アセスメントプログラムを用いた指導・支援の実施方法
 1 指導・支援の流れ
 2 指導・支援方針を検討する際の観点
 3 指導・支援の終了を判断する際の観点
V 指導・支援の具体例(事例の紹介)

第4章 指導・支援の具体例
1─1 基本 保護者への吃音の基礎情報の提供
1─2 基本 学級担任への吃音の基礎情報の提供
1─3 応用 気質と情動機能、言語・認知・運動発達の問題の基礎情報の提供
1─4 応用 家庭の環境調整
1─5 応用 学校の環境調整
1─6 応用 学外活動の環境調整
2─1 基本 指導者との自由遊びや共同活動を通したかかわり
2─2 応用 ペントラム・セラピー
3─1 基本 アンケート
3─2 応用 吃音の話
3─3 基本 「きつ音」ってどんなもの?
3─4 基本 きつ音クイズ
3─5 基本 声を出して話す時の体のしくみ
3─6 応用 吃音の調べ学習
3─7 基本 「きつ音」って悪いこと?
3─8 基本 こんなことある?
3─9 基本 こんな時、どうする?
3─10 基本 スピーチセラピーの説明
4─1 基本 「ゆっくり」、「ゆったり」、「そっと、やわらかく」、「はじめの音を繰り返したり伸ばしたりする」、
      「少し待ってから話す」発話環境の整備
4─2 基本 発話の流暢性の問題が出にくい発話場面の設定
4─3 基本 斉読読みと影踏み読み
4─4 応用 「ゆっくり」、「ゆったり」、「そっと、やわらかく」話すゲーム
4─5 基本 いろいろな話し方
4─6 応用 リモコンゲーム1
4─7 基本 「ゆっくり」、「ゆったり」、「そっと、やわらかく」話す練習
4─8 応用 「はじめの音を繰り返したり伸ばしたりする」、「少し待ってから話す」練習
4─9 基本 不安や緊張を伴う場面での発話練習
4─10 応用 リモコンゲーム2
5─1 応用 吃音と構音障害の同時指導
5─2 応用 吃音に配慮した言語・認知・運動発達の指導
6─1 基本 あなたってこんな人
6─2 基本 わたしってこんな人
7─1 基本 毎日の生活で困っていることの作戦会議
7─2 基本 いろいろな話し方ゲーム
7─3 応用 話しやすい、伝わりやすい話し方を考えよう
7─4 応用 毎日の生活における発話・コミュニケーション場面の練習
7─5 応用 人前で話すことに挑戦しよう
7─6 応用 何でも発表、ビデオ番組作り
7─7 応用 ことばの教室の卒業

資 料 アセスメント、指導・支援で用いる教材
1 毎日の生活の中の得意なこと、苦手なこと
2 ことばの教室に通っている子どもからの手紙
3 吃音調査票
4  家庭における発話の流暢性の問題チェックシート
5  吃音のある児童・生徒の学級活動に関する調査票
6 ことばの教室の紹介
7  きつ音で困っていることを書き出そう
8 お子さんと話される時のヒント
9 お子さんが吃音のことを話してきたら……
10 アンケート(低学年用)
11  アンケート(高学年用)
12 「きつ音」ってどんなもの?
13 きつ音○×クイズ
14 声を出して話す時の「からだ」のしくみ
15 「きつ音」って悪いこと?
16 きつ音が出やすいことばや音を書き出そう
17 きつ音が出ている時の「からだ」と「きもち」
18 こんな時、どうする?
19 きつ音が出にくい話し方
20 いろいろなはなしかた
21 (       )さんて、こんな人
22 ぼく・わたしって、こんな人
23 毎日の生活で困っていることの作戦会議
24 話しやすい、伝わりやすい話し方を考えよう

あとがき
文  献
索  引

コラム一覧
コラム1  脆弱とは
コラム2  吃音のある人の発声発語過程の追究
コラム3  「感受性が高くて繊細」、「情緒・情動の変動が激しい」状態とは?
コラム4  突然、気質と情動機能の脆弱がなくなることがある?
コラム5  気質と情動機能の脆弱が発話の流暢性の問題の出現に与える影響
コラム6  気質と情動機能が脆弱なのはいけないこと?
コラム7  発話の流暢性の問題への気づきと学習との関連
コラム8  パートタイムから始まる発話の流暢性の問題への気づき
コラム9  バンライパーの吃音方程式
コラム10  予期不安は吃音の本質的問題?
コラム11  「小学校に入るまでに吃音を治したい」保護者の真意を探る
コラム12  ジョンソンの立方体モデル
コラム13  吃音のある子どもの気持ちを疑似体験するエクササイズ
コラム14  吃音の原因論
コラム15  吃音の基本的情報
コラム16  ICF とは
コラム17  密接に関連している「活動」と「参加」
コラム18  著者の考える理想的な吃音の予後
コラム19  「 ゆっくり」、「ゆったり」接することは吃音のある子どもとかかわる際の大原則
コラム20  「沈黙は金なり」
コラム21  臨床は、「ぞうきんがけ」のようなものである
コラム22  否定的な自己主張行動は、どこまで受け入れる?
コラム23  ペントラム・セラピーのその後
コラム24  小集団活動の優れた効能
コラム25   普通の学校生活ではなかなか経験できない活動や参加の場面を設定する、という発想

●帯より
より活用しやすくなったアセスメントプログラム
本書は、基礎的情報はもちろん、アセスメントから指導・支援の実践方法までを具体的かつ、分かりやすく解説しています。多様な問題を抱える吃音のある子どもの指導・支援に悩むことばの教室の先生や言語聴覚士にとって、著者の長年の経験と研究に裏打ちされた緻密なプログラムは、教育臨床に欠かせないものとなるでしょう。