学苑社

特別支援教育・福祉・心理の本

スクスク子育て

スクスク子育て
情緒発達から見た自閉症

安藤則夫 著
四六判/並製 2200円+税
ISBN:978-4-7614-0701-8


自閉症児の情緒発達を促すためには、具体的に何をすれば良いのか。イラストを交えながらやさしく紹介。

●著者紹介(初版時)
ほどき心理相談所所長。臨床心理士。大阪外国語大学アラビア語科卒、立命館大学文学研究科心理学専攻過程卒後、知的障害児通園施設つくも幼児教室児童指導員を経て、ほどき心理相談所を開設。乳幼児の情緒発達を研究し、発達障害児や対人関係がうまくいかない子や人の療育・相談を行なっている。主な著書・訳書:R.エムデ他著「乳幼児における情緒の表れ」訳(風媒社)、「抱っこで育つ:心を解きほぐす愛着技法」共著(風媒社)、「抱っこでスクスク」(学苑社)

ほどき心理相談所ホームページ
http://www3.ocn.ne.jp/〜hodoki00/

●目次
第1部 基本的な考え方
 第1章 自閉症とは
  自閉症の定義について
  相互的な社会的交渉の障害
  コミュニケーションの障害
  限定的で固定化された活動と興味
  高機能自閉症とアスペルガー症候群

 第2章 情緒をどうとらえるか
  なぜ情緒か
  情緒を発達させる働きかけ
  体系的なとらえ方
  3つの情緒
  集中性の情緒
  高揚性の情緒
  くつろぎ性の情緒
  情緒に対する誤解
  成熟した情緒
  情緒の発達段階と自閉性

 第3章 働きかけの一例
  サトル君の相談
  初回面接での助言
  2回目の面接での助言
  3回目の面接での助言
  4回目の面接での助言
  5回目の面接での助言
  6回目の面接での助言
  7回目の面接での助言
  8回目の面接での助言
  9回目の様子とまとめ

第2部 モノの見方・考え方と情緒
 第1章 不活発な状態
  認知と情緒
  ぼんやりする
  とらわれ
  ひきこもり
  ふと自分の世界に入る
  人よりモノに引き付けられる

 第2章 注意の集中
  特定の刺激への集中
  細かいことを気にする
  目が合わない
  クレーン現象
  外見にとらわれる
  まだらな能力
  並列的情報処理
  多様性と多義性の理解

 第3章 こだわりの強さ
  身体的緊張
  心の固さ
  微細なコントロール
  活動の転換がうまくいかない
  パニック
  睡眠障害
  感覚障害(知覚過敏)

 第4章 変化への対応
  固定したモノの見方
  変化を固定したパターンと見る
  程度やあいまいさの受容
  さまざまなタイプの自閉症の子ども

 第5章 出来事への興味
  出来事への興味の乏しさ
  くつろぎ性の情緒の出現
  出来事の経過と情緒
  期待した結果の喜び
  結果を喜ばない
  結果を喜んでもリラックスしない
  探究心
  意識の広さと指さしの理解
  信号の理解
  言葉の理解

 第6章 状況の全体像をつかむ
  全体の意識
  まとまり感
  活動の抽出
  部分から全体像を描く
  部分からの想像
  オウム返し

第3部 社会性と情緒
 第1章 親密感の不足
  よそよそしさ
  甘えがない
  人の行為への興味
  くつろぎ性の情緒の欠乏
  くつろぎ性の情緒の現れ
  満足感とは
  満足感の発達
  くつろぎ性の情緒の量
  オレ線型(きっかけのあるタイプ)
  オレ線型(徐々に変化するタイプ)

 第2章 愛着の発達
  愛着とは
  緊急事態の終了後の安堵感
  さまざまな愛着
  安心感と落ち着き
  安心感は受容性を増す
  安心感は積極性のもと
  安心感は信頼感のもと

 第3章 不安
  3種類の不安
  人見知り
  しがみつき
  行動制止
  接近と回避の葛藤
  愛着の深まり
  人の模倣

 第4章 共感と社会性
  やりとりを楽しむ
  役割交替
  志向性
  共感の発達
  感動を共有し、情報交換を楽しむ

 第5章 自我の発達と社会性
  人間を意志ある存在として見る
  自分とは独立した人の意図
  達成感
  誉められて喜ぶ
  自信の発達
  社会性の発達

第4部 情緒発達の評価
 第1章 評価の視点
  なかなか見られない情緒
  情緒発達の評価の視点
  情緒表出の質と情緒的行動
  3つの情緒の評価

 第2章 情緒的行動の評価
  新生児期レベル
  乳児期レベル
  幼児期レベル

第5部 情緒発達を促す働きかけ
 第1章 働きかけのポイント
  サイクルをつくる
  気分づくり
  生身の働きかけ
  主導性
  簡単な方法を繰り返す
  無理しない
  親も楽しみゆったりする

 第2章 タイプによって異なる喜びの引き出し方
  喜ばない子ども(ぼんやり・不活発タイプ)
  固い感じで不機嫌になりやすい子ども
  自分の遊びに集中する子ども
  自分の世界に入ってしまう子ども
  激しく動く子ども
  大きい子どもへの働きかけ

 第3章 喜びを発展させる
  追いかけ抱っこ
  しぐさで喜ぶ(くすぐりから)
  柔らかい笑いを引き出す
  安堵感を引き出す
  やりとりを楽しむ
  頑張りと達成感
  感動・情報の共有を楽しめるようにする
  コレでだめならアレ

 第4章 リラックスさせる働きかけ
  くすぐりによる働きかけ
  くすぐってはすわらせる働きかけ
  グッパー、グッスー
  手ブラブラ
  ギッコンバッタン(舟こぎ)
  うつ伏せ着席
  足まげ(腰まげ)
  ストレッチング
  ギュー押し。身体の傾け
  トントンたたき

 第5章 不快表現を慰める
  不機嫌になりやすい子ども
  泣きへの働きかけ
  泣きの役割
  うまく泣けるように援助する
  交代抱っこ
  接近しては離れる

 第6章 言葉の発達を促す
  言葉の発達で大切なこと
  言葉を引き出す働きかけの段階
  くすぐり追いかけっこ
  抱っこ・着席で遊ぶ
  くすぐり、手たたきから口たたきへ
  絵カードを使う方法
  絵本の読み聞かせ

 第7章 社会性を伸ばす
  他児と交わる
  比較で感動する
  誇りを育てる(ルールを守る、協力)
  友達とうまくいかないとき
  大人との関係ができていないとき

●帯
「じっとしていなさい!」「どうしてママの言う事が聞けないの!」と悩むお母さんへ
どうすればいいかのヒントがここにあります。

本書では、自閉症の本態を乳幼児期の情緒発達から解明し、働きかけの道筋を説明しています。自閉的な子どもも、笑わせてからゆったりさせて、くつろいだ気分を感じられるようにすると、人と共感しやすくなって、いろいろなことを学んだり、ゆとりをもって物事を受け入れられるようになります。自閉的な子どもは、乳児期に現れるはずの「くつろぎ性の情緒」が弱いのです。この情緒を引き出すためには、
情緒発達や情緒の現れ方を理解する必要があります。本書に掲載されているイラストを参考にして、お子さんと一緒にくつろいでみませんか?