学苑社

特別支援教育・福祉・心理の本

学校コンサルテーション

学校コンサルテーション
統合モデルによる特別支援教育の推進

ウィリアム・P・アーチュル
ブライアン・K・マーテンズ著
大石幸二監訳
A5判/並製 4500 円+税
ISBN:978-4-7614-0717-9



行動コンサルテーションと精神衛生コンサルテーションの強みを生かし、「対人関係影響力」の概念を援用しながら発展させた学校コンサルテーションの統合モデルを解説。

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●著者紹介(初版時)
著者紹介
ウィリアム・P・アーチュル(WILLIAM P. ERCHUL)
ノースカロライナ州立大学の心理学教授であり学校心理学トレーニング・プログラムの指導者でもある。彼は、ウィスコンシン州の大学で文学・科学課程のオナーズプログラムから心理学およびコミュニケーション学の文学士号を取得し、テキサス州の大学からは、学校心理学を専門とした教育心理学の博士号を取得した。アーチュル氏は、精神衛生および行動コンサルテーション研究において非常に多くの論文を著している。著書には、Consultation in Community, School, and Organizational Practiceがある。アーチュル氏はアメリカ心理学協会(APA)の特別会員であり、様々な賞を受賞している。初期に行なった専門的調査が学校心理学領域へ貢献したことが認められ、APA の学校心理学部門からはライトナー・ウィトナー賞を受賞した。また、ノースカロライナ州学校心理学協会からはthe Excellenece in Staff Development Award、ノースカロライナ州の教育および心理学の専門大学からはthe Outstanding Faculty Research Award を受賞した。彼は、School Psychology Quarterlyの編集委員、The School Psychology ReviewおよびJournal of Educational and Psychological Consultationの特別記事の編集委員をつとめ、現在は4つの雑誌の社説記事も担当している。彼は現在、APAの学校心理学部門における出版物、通信、大会業務部の主幹をつとめている。

ブライアン・K・マーテンズ(BRIAN K. MARTENS)
1986年にシラキュース大学の心理学部に所属し、現在は心理学教授であり、学校心理学プログラムのためのトレーニングの指導者でもある。彼の学問的業績には、応用行動分析および学校コンサルテーションの領域における70以上の調査研究、著書、寄稿、招待レビューがある。マーテンズ氏は、1990年の初期に行なった調査による貢献が認められライトナー・ウィトナー賞をアメリカ心理学協会(APA)の部門16から受賞し、現在は協会の特別会員であり、学校心理学研究団体の一員でもある。彼は、1995年にOutstanding Teacher of the Year at University College として名前が挙げられ、同年、実験的行動分析の団体の編集委員に指名された。また、1997年にネブラスカ州教員養成大学90周年記念祝典で90人のすぐれた卒業生の1人として選ばれた。彼は、Journal of Applied Behavior Analysis(1993-1996)およびSchool Psychology Quarterly(1991-1994)の編集委員をつとめ、現在は3つの雑誌の特別編集委員または社説記事を担当している。

訳者紹介
監訳者
大石幸二
(監訳、序文、第1章、第2章、第4章、第9章、第10章)
立教大学現代心理学部・准教授
1967年生まれ。筑波大学大学院心身障害学研究科博士課程単位取得満期退学。専門は、応用行動分析、特別支援教育、学校ソーシャルワーク。主な著書:『特別支援教育を支える行動コンサルテーション−連携と協働を実現するためのシステムと技法−』(共編著、学苑社)、『スクールソーシャルワーカー養成テキスト』(分担、中央法規出版)、『行動変容法入門』(共訳、二瓶社)他。

分担訳者
野口和也(第6章)
立教大学現代心理学部兼任講師、明星大学人文学部非常勤講師
須藤邦彦(第7章)
明星大学人文学部非常勤講師
遠藤愛(第4章、第5章)
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻博士後期課程、
東京国際大学人間社会学部非常勤講師
中内麻美(第8章)
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻博士後期課程
大橋智(第3章)
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻博士後期課程、
国立武蔵野学院附属児童自立支援専門員養成所非常勤講師
太田研(第1章、第4章、用語集)
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻博士後期課程
渡辺孝継(第1章、第4章、用語集)
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻博士後期課程
須田なつ美(第2章註・第7章註)
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻博士前期課程
林勇輝(第2章註・第7章註)
立教大学大学院現代心理学研究科臨床心理学専攻博士前期課程

●目次
序文
第I部 コンサルテーションの背景と意義
 第1章 コンサルテーションの概観
  対人援助コンサルテーションの有効性
  対人援助コンサルタントの役割への歴史的影響
  学校コンサルタントの役割への歴史的影響
  今日の学校の実情をふまえたコンサルテーションの再概念化
  協働とコンサルテーションの対比
  本書の構成
 第2章 学校変革モデルとしてのコンサルテーション
  コンサルテーションの実践における信念や態度、あるいは行動の変容
  対人援助システムにおける効果的な変容のための広範な方略
  学校コンサルテーションにおける社会的影響力の根源とその適用
  影響力が指し示す様々な意味合い
  相互作用に影響を及ぼす力・社会的な対人関係影響力モデルと
   学校コンサルテーションにおける適用
  結論
 第3章 コンサルテーションの環境としての学校
  公教育システムにおける組織論的な伝統
  公教育におけるサービスの構造
  学校コンサルテーションにおける管理的な視点

第II部 コンサルテーションの過程と成果
 第4章 学校コンサルテーションの統合モデルの基盤
  地域精神衛生コンサルテーションの基盤
  行動心理学と行動コンサルテーションの基盤
  学校コンサルテーションの統合モデルの基盤に関するまとめ
  学校コンサルテーションの導入過程—サービス提供ネットワークへの参入
 第5章 学校コンサルテーションの統合モデルの説明と適用方法
  既存のコンサルテーション・モデルの批判的検討
  学校コンサルテーションの統合モデル
 第6章 学校の実情に応じた介入法の選定と効果評価
  介入案の有効性
  介入実行上の問題点
  介入結果の評価

第III部 コンサルテーションの主要な担い手
 第7章 コンサルティとしての教師
  教師と指導にかかわる見通し
  教師と学校コンサルテーションに関する展望
  教師へのコンサルテーションの効果を最大限にするために
  教師へのコンサルテーションを利用した支援の展開に向けて
 第8章 クライアントとしての児童生徒
  学校におけるサービス提供に関する法律
  分類への教育的アプローチ
  児童生徒の学業達成の文脈モデル
 第9章 学校コンサルテーションの事例研究
  初回面接
  第2回面接
  第3回面接
 第10章 あとがき—学校コンサルテーションの効果的な実践のために
  心理教育的な評価の限定された活用
  学校の実情に応じたコンサルテーション・チームの組織
  個別障害児教育法(IDEA)に沿う変革
  学校コンサルテーションの再考

監訳者あとがき
用語集
文献
人名索引
事項索引
著者紹介
訳者紹介

●パンフレットより
 わが国の特別支援教育は、法的な位置づけや基盤整備も着々と進められ、いよいよ本格的な実践を効果的かつ広範に展開するステージに移ってきた。特別支援教育の実践では、従来の特殊教育の対象者をはるかに超える人々に対して、特別なニーズに応じた教育関連サービスを提供することが強く求められており、多くの対人援助サービスの提供者が特別支援教育の領域で活躍することになる。そして、それらの対人援助サービスにより、文字どおり「万人のための教育」が現実のものになろうとしている。その際、経験の浅い心理士や巡回相談員、地域支援を担当するコーディネーターが不安や困難に見舞われることなく、教師に対する支援を効果的に実践するための情報提供と技術支援が必要であることは言うまでもない。
 本書では、バーガンの行動コンサルテーションとキャプランの精神衛生コンサルテーションという2つの基本モデルの強みを生かして、「対人関係影響力」という観点から新たに発展させた学校コンサルテーションの統合モデルを詳しく解説した。この中で取り上げられている基本的な情報は、学校の実情に応じた実践を効果的・効率的に展開する上で必須のものとなる。また、アメリカにおける「個別障害児教育法1997年改正法」施行後の豊富なデータと実践例も盛り込まれており、とりわけ行動のはたらきを分析し、環境設定を変更するための機能査定の技術についても紹介されている。
 本書を手にとり、最後まで読み進めるうち、読者は有能なコンサルタントとしてふるまうために必要な情報と技術をもれなく手に入れることができるだろう。そして、そのことは特別支援教育を推進し、「万人のための教育」を実現するためになくてはならない専門性の発達と関連しているのである。本書を通じて、多くの実践家の方とともに特別支援教育の推進について語らうことができる日もそう遠くはないことだろう。

(監訳者 大石幸二)