学苑社

特別支援教育・福祉・心理の本

認知症高齢者の理解と援助

認知症高齢者の理解と援助
豊かな介護社会を目指して

三原博光・山岡喜美子・金子努 編著
A5判/並製 2600 円+税
ISBN:978-4-7614-0718-6



共に「喜び・笑い・希望にあふれた」介護を実現するために、事例やイラストを交えながら介護に役立つ具体的な対応策を紹介する。

●著者紹介(初版時)
三原 博光(みはら ひろみつ) 〈第1部4章〉・編集
県立広島大学人間福祉学科教授、社会福祉学専攻、関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了、ドイツ・ハノーバー大学特殊教育学部留学(ロータリー財団奨学生)、ドイツ・ケルン大学特殊教育学部留学(日本学術振興会)、医療福祉学博士
主な著書:『行動変容アプローチによる問題解決実践事例』(単著/学苑社)、『介護の国際化』(単著/学苑社)、『障害者ときょうだい』(単著/学苑社)、『社会福祉援助技術』(編著/メチカルフレンド社)、『介護概論』(共著/メチカルフレンド社)、『世界の社会福祉 ドイツ・オランダ』(共著/旬報社)、『ソーシャルワーク理論を学ぶ人のために』(共著/世界思想社)、『エンパアワメント実践の理論と技法』(共著/中央法規出版)、『医療福祉の分野と実践』(共著/中央法規出版)他
主な訳書:『ドイツのソーシャルワーク』(単訳/相川書房)、『ドイツの障害児家族と福祉』(単訳/相川書房)、『ドイツにおける精神遅滞者への治療理論と方法』(単訳/岩崎学術出版社)、『自傷行動の理解と治療』(単訳/岩崎学術出版社)他

山岡喜美子(やまおか きみこ) 〈第1部5章〉・編集
長崎純心大学大学院修了。現在、県立広島大学人間福祉学科教授。
主な著書:『わかりやすい介護技術』(単著/ミネルヴァ書房)、『わかりやすい介護技術 ホームヘルパー編』(単著/ミネルヴァ書房)、『介護技術』(編著/建帛社)『リスクマネジメント』(部分執筆/第一法規)、『新介護福祉概論』(痴呆の介護担当/学文社)、『医療介護とは何か』(介護福祉における医療介護とは何か/金原出版)、『わかりやすい介護技術演習』(ミネルヴァ書房)、『分かりやすい介護概論』(ミネルヴァ書房)他

金子  努(かねこ つとむ) 〈第3部11章〉・編集
1987年3月 日本福祉大学大学院修士課程修了。現在、県立広島大学人間福祉学科教授。
主な著書:『高齢者ケア改革とソーシャルワークI』(単著/久美出版)『高齢者ケア改革とソーシャルワークII』(単著/久美出版)『介護分野におけるリスクマネジメント』(単著/中央法規出版)、『事例でわかる!精神障害者支援実践ガイド』(共編著/日総研出版)

堤  雅恵(つつみ まさえ) 〈第1部1章〉
山口大学大学院医学系研究科教授
横山 正博(よこやま まさひろ) 〈第1部2章〉
山口県立大学社会福祉学部教授
鳥居 紀子(とりい みちこ) 〈第1部3章〉
下関福祉専門学校介護福祉学科専任教員
染 しおり(そめ しおり) 〈第1部4章〉
長崎大学医学部歯学部附属病院看護部看護師
田崎 愛子(たざき あいこ) 〈第1部4章〉
健康保険諫早総合病院保険師・看護師
西村 智子(にしむら ともこ) 〈第1部4章〉
(元)萩市民病院看護師
松尾 咲子(まつお さきこ) 〈第1部4章〉
(元)特別養護老人ホーム介護士
松永美輝恵(まつなが みきえ) 〈第1部6章〉
新見公立短期大学地域福祉学科助手
松本百合美(まつもと ゆりみ) 〈第1部6章〉
新見公立短期大学地域福祉学科講師
溝田 順子(みぞた じゅんこ) 〈第2部7章〉
宇部フロンティア大学人間社会学部福祉心理学科准教授
中島 通子(なかしま みちこ) 〈第2部8章〉
県立広島大学保健福祉学部看護学科教授
渕野 由夏(ふちの ゆか) 〈第2部9章〉
福岡県立大学看護学部講師
橘本 紋子(きつもと あやこ) 〈第3部10章〉
特別養護老人ホーム小郡・山手一番館介護長
平岡 和子(ひらおか かずこ) 〈第3部12章〉
(元)特別養護老人ホームセンチュリー21主任
村谷真里子(むらや まりこ) 〈第3部13章〉
特別養護老人ホームセンチュリー21主幹
末谷 千秋(すえたに ちあき) 〈第3部14章〉
グループホーム王喜の郷管理者兼計画作成担当者
山本 太郎(やまもと たろう) 〈第3部14章〉
特別養護老人ホーム小郡・山手一番館生活相談員
國定 美香(くにさだ みか) 〈第3部15章〉
福山市立女子短期大学准教授
廣山 初江(ひろやま はつえ) 〈第3部15章〉
広島県介護福祉士会会長
稲田しのぶ(いなだ しのぶ) 〈第4部16章〉
学校法人下関学院下関福祉専門学校専任教員
大宮チズ子(おおみや チズコ) 〈第4部16章〉
大阪人間科学大学社会福祉学科講師
佐藤 美幸(さとう みゆき) 〈第4部17章〉
宇部フロンティア大学人間健康学部准教授
原田 典子(はらだ のりこ) 〈第4部18章〉
原田訪問看護センター代表

●目次
はじめに
第1部 認知症高齢者の特徴とその対応
1章 認知症の特徴について 
1 認知症は病気なの?
2 認知症の原因
3 認知症と生理的な老化による物忘れの違い
4 アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の違い
5 認知症の症状
6 認知症高齢者の健康上の問題

2章 認知症高齢者と接する際の心構え 
1 認知症高齢者の人生すべてを受容する
2 できることに目を向ける
3 生きがいのある環境づくり
4 孤独や不安の解消
5 認知症高齢者の世界の中で付き合う

3章 認知症高齢者との具体的なコミュニケーション方法 
1 認知症高齢者ケアの基本
2 認知症高齢者ケアの原則
3 具体的な支援方法

4章 問題行動を示す認知症高齢者の事例 
1 事例
2 事例から見る認知症高齢者の問題行動

5章 問題行動への対応 
1 他害についての事例
2 徘徊により行方不明になってしまった事例
3 失禁についての事例
4 異食についての事例

6章 認知症高齢者の虐待問題 
1 虐待とは
2 事例

第2部 認知症高齢者への家族支援と環境調整
7章 家族による認知症高齢者の介護 
1 家族介護の実態
2 家族が直面する問題
3 認知症高齢者に対する家族の対応
4 家族への援助

8章 女性家族介護者による認知症・寝たきり高齢者の介護報告 
1 女性家族介護者および認知症・寝たきり高齢者の特性
2 介護報告内容(グループ面接から)
3 まとめ

9章 福祉用具や住宅改修を活用した認知症高齢者の日常生活行動 
1 問題行動に対する福祉用具と住宅改修
2 介護保険の活用
3 福祉用具の導入や住宅改修を行なうときの留意点
4 事例

第3部 施設における認知症高齢者への支援
10章 施設での生活 
1 入所の決断
2 家族が認知症高齢者の施設入所を決断する理由
3 認知症高齢者の介護に対する留意点

11章 高齢者施設の種類とその選択方法 
1 介護保険施設とその選択
2 介護保険施設の利用料など
3 地域密着型サービス
4 事例

12章 施設ケアの実際 
1 混乱・被害妄想
2 不安と淋しさ
3 体調の不安
4 散歩、日光浴、買い物
5 お便り書き、日記、絵かき、ぬり絵
6 回想法
7 余暇生活
8 問題行動に対する対応
9 寝たきり予防
10 施設における認知症高齢者の事例

13章 家族関係を維持するために 
1 事例
2 まったく入所者を訪問しない家族に対する施設の取り組み
3 認知症高齢者に対する家族の否定的感情の受容

14章 施設でのより良い生活を目指して 
1 グループホーム「王喜の郷」(山口県)の取り組み
2 特別養護老人ホーム「小郡・山手一番館」(山口県)の取り組み

15章 認知症高齢者のレクリエーション 
1 認知症高齢者のレクリエーションとは
2 レクリエーションのポイント
3 事例

第4部 認知症高齢者への医療支援と終末期ケア
16章 介護技術 
1 食事介助
2 入浴介護
3 衣服について
4 おしゃれの具体的方法

17章 救急処置 
1 在宅で見られる事故
2 症状別救急処置
3 誰でも行なえる救命処置

18章 認知症高齢者の終末期ケアと死 
1 終末期ケア
2 旅立ちのケア(死後のケア)

おわりに

●帯
共に「喜び・笑い・希望にあふれた」介護を実現するために
認知症高齢者には、日常生活のあらゆる面(食事、入浴、排泄など)での介護だけでなく、徘徊、被害妄想、物忘れのような症状にも対応が必要とされる。一般的に介護という言葉からは、困難さ・絶望・失望といった否定的なイメージが想起されるが、認知症高齢者の介護には、かけがえのない喜びや笑いも存在する。明るい介護を実践し豊かな介護社会を築くために、本書では、事例やイラストを交えながら、介護に役立つ具体的な対応策を紹介しつつ、日々の介護に喜び・笑い・希望を生み出すコツを提供していく。介護に携わるすべての人にとって本書がよいきっかけとなることを願って……。

●推薦のことば

日本介護福祉学会会長 黒澤貞夫
 このたび、『認知症高齢者の理解と援助』は発刊されることとなった。まさに待望の書である。我が国は世界に例をみない超高齢社会を迎えて、高齢者の老後の安心と豊かな生活を保障することは国家の必須の課題となっている。そして高齢者は歳を重ねても健康で文化的な生活を営むことを願っている。しかし高齢にともなう心身の機能の低下もまた避けられないことである。特に認知症高齢者の日々の生活をどう支援していくかが社会的な課題となっている。
 認知症高齢者は脳の器質性障害により生活に支障をきたしているので、まず認知症にかかわる医学的な視点からの特性を理解することと、そこに起因する生活の支障の状況を把握することが大切である。そのうえで援助に当たる人の心得ておくべきことやケアの技法を学ぶ必要がある。このことは認知症高齢者にかぎらず、高齢者の生活を支援するうえで大切なことである。
 本書はこれらの事柄について、体系的に順序よく論じられており、そしてケアの経験に裏付けられているので分かりやすく書かれている。さらに、これらの根底には認知症高齢者の生活の向上への願いがあるため、学生、家族、ケア従事者など多くの方々が共感をもって読んでいただけるものと考える。
 本書は認知症高齢者の理解と援助に有益な方向性を示し、認知症高齢者の幸せにつながるものである。
 ここに推薦いたします。